2003年(平成15年)の出来事やニュースを解説

ニュース・出来事・スポーツ

この記事では2003年(平成15年)のニュース・文化芸能・事件について解説しています。

2003年(平成15年)の主要ニュース

6月10日|りそな銀行に1兆9600億円の公的資金注入を決定

日本共産党より引用

りそな銀行は、大和銀行とあさひ銀行の合併により2003年に誕生した都市銀行である。

りそな銀行発足直後に、繰延税金資産の取り扱いについて3年分の組み入れしか認めない方針を監査法人が明らかとしたため、りそな銀行の自己資本比率は国内基準の4%を下回り2%台になる可能性が出てきた。
りそな銀行は政府に対して資本注入を要請し、政府はりそな銀行へ1兆9600億円もの公的資金の注入を行い、りそな銀行は実質的に国有化された

りそな銀行を破綻させれば日本は大きな不況に陥っていたと言われており、メガバンクが破綻することの社会的影響を考慮して公的資金注入が行われたといわれている。
その後りそな銀行は一度も赤字を出すこと無く経営を再建し、2015年6月には全ての公的資金を返済している。

7月26日イラク特措法が国会で成立、12月26日には航空自衛隊48名がイラクに派遣される

日本共産党より引用

イラク特措法とは、イラク戦争後のイラクで積極的な人道・安全確保支援を行うことを目的とした法律である。
この法律は4年間の時限立法として成立し、2009年に期限切れで失効している。

この法律は「非戦闘地域」での活動と明文化されていたため、どこが戦闘地域で非戦闘地域であるかの線引きが曖昧であるという問題点があった。
小泉純一郎首相は国会での答弁で「自衛隊がいられるところが非戦闘地域」であると発言し、物議を醸した。

また憲法9条違反や米ブッシュ政権への外交政策の一部に過ぎないとの批判も出た。

11月9日|9月の自民党総裁選で再認となった小泉純一郎が衆議院を解散し、総選挙

www.asaho.comより引用

自民・公明・保守新党が絶対安定多数を確保、一方民主党も議席を伸ばし2大政党となった

12月1日|地上デジタルテレビ放送が東京、大阪、名古屋で開始。


地上デジタルテレビ放送が行われる以前、テレビはすべてアナログ放送であった。
しかし2003年から地上デジタルテレビ放送の導入が開始され、2011年7月24日正午にすべてのアナログ放送は終了することとなった。

地上デジタルテレビ放送はアナログ放送と比較して高精細であり、高音質・多機能音声という特徴を備えている。
地上デジタルテレビ放送普及のため、地デジカと呼ばれる鹿のキャラクターが誕生し、概ね良い評価を得ていた。

2003年(平成14年)の文化・芸能ニュース

3月24日|『千と千尋の神隠し』が第75回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞

時事ドットコムより引用

千と千尋の神隠しは宮崎駿監督による長編アニメ映画であり、日本歴代興行収入1位となる308億円を記録している。
日本で絶大な人気を誇った同作品であるが、海外での評価も非常に高い。

千と千尋の神隠しは2003年2月12日にアカデミー賞長編アニメーション部門へのノミネートが決定し、3月24日に同賞の受賞が決定した。
日本のアニメ作品でアカデミー賞長編アニメーション部門を受賞した作品は、『千と千尋の神隠し』以外にはない

2017年にニューヨークタイムズ紙が発表した「21世紀のベスト映画25本」では第二位(1位は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』)に選ばれるなど、公開から10年以上経過しても国内外で大きな評価を得ている映画となった。

7月19日|『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が公開、興行収入173.5億


踊る大捜査線はフジテレビ系で放送された刑事ドラマで、従来の過剰な演出を主流とした刑事ドラマとは異なり、警察が抱える矛盾や問題点を背景としたリアリティのある作品に仕上がった人気作品である。

1作目の「踊る大捜査線 THE MOVIE」は興行収入100億円を超えるヒット作品となったが、2作目である『踊る大走査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを閉鎖せよ!』は1作目を超えるヒットとなり、2020年現在の歴代法が興行収入5位となっている

9月7日|ベネチア国際映画祭りで「座頭市」の監督・北野武が監督賞にあたる銀獅子賞を受賞

日刊スポーツより引用

『座頭市』は北野武監督による作品で、北野武初の時代劇であったがベネチア国際映画祭で監督賞である銀獅子賞を受賞した。
従来の時代劇の型からはずれ、娯楽的要素が強い作品となっており、北野武監督作品としては2020年現在もっとも観客を動員した作品となっている。

北野武は1997年に「HANA-BI」で作品賞である金獅子賞を受賞していた。

12月15日|女優の広末涼子が岡沢高宏との結婚を発表

ネタりおマガジンより引用

女優として日本でも指折りの人気を誇っていた広末涼子が、HPで結婚を発表した。
結婚の相手はモデル兼デザイナーである岡沢高宏。

結婚を発表した時点で広末涼子は妊娠しており、2004年4月に長男を出産した。
その後2005年に広末は女優に復帰しているが、2008年にやはり自身のHP上で離婚を発表している。

2003年(平成14年)のスポーツ

1月21日|横綱貴乃花が引退


1994年に横綱へ昇進した貴乃花は、兄の若乃花とともに「若貴時代」を築き上げ大相撲の発展に多大な貢献を果たした力士である。
貴乃花が引退をするきっかけとなったのが2001年の出来事である。

2001年の5月場所14日目の武双山戦で貴乃花は半月板を損傷、千秋楽で武蔵丸に敗れ星が並び、優勝決定戦となった。
けがでまともに相撲がとれない貴乃花の圧倒的不利は明らかであったが、鬼の形相で武蔵丸を上手投げで破り優勝する。

時の首相・小泉純一郎が「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!」と表彰式で叫ぶなど、2001年を象徴する出来事となったが、この優勝が貴乃花最後の優勝となった。

半月板の手術を行ってからは従来の貴乃花の強さを発揮するには至らず、1年にわたる長期休場を経て2003年1月場所で現役引退を表明した。

1月27日|朝青龍がモンゴル人力士初の横綱へ昇進

時事ドットコムより引用

朝青龍相撲界の一時代を築いた歴代トップクラスの力士であり、第68代横綱である。
朝青龍が、モンゴル人力士初の横綱昇進を果たしたのが、2013年1月27日のことであった。

2001年1月場所の新入幕から大関以上の力士を次々と倒していた朝青龍は、2002年7月場所で早々と大関昇進を果たす。
その後も年間最多勝の獲得や2場所連続優勝を達成し、年6場所制では史上最速となる、初土俵から25場所での横綱昇進を果たしたのである。

これ以降相撲界は貴乃花と入れ替わりで、朝青龍一強の時代へと突入する。
7場所連続優勝や年間6場所完全優勝、年間84勝6敗など、次々と驚異的な記録を打ち立てた。

しかし、実力は間違いなかったものの、素行面で問題を起こすことが多く、自身の暴行事件の責任を取る形で2010年に現役を引退した。

2003年(平成14年)の主要事件

6月14日|八尾市ヤミ金心中事件発生

GogoJungleブログより引用

八尾市闇金心中事件とは、闇金業者による執拗な取り立てを苦にした親族3人が電車へ投身自殺した事件である
親族らは遺書を残しており、法外な利子と脅迫まがいの取り立てを行っていたことが明らかとなり闇金業者6名が逮捕された。

この事件を機に無登録や違法金利の闇金業者に対する刑事罰の厳格化が進み、2004年1月にヤミ金融対策法が施工された。

6月20日|福岡一家4人殺害事件発生


福岡一家4人殺害事件とは、中国人留学生3人が小学生2人を含む4人家族を殺害した事件のことである。
犯行の残忍さが注目を集めた。

加害者3人は中国出身の留学生で日本語学校や専門学校の生徒であった。
3人はアルバイトをしながら学費を支払っていたものの、生活費が苦しくなり窃盗を繰り返していた。
やがて3人は共謀して強盗を行うことを決め、その際口封じおよび怨恨による目的であると誤認させるため、一家を皆殺しする計画をたてた。

犯人らは溺殺や窒息などにより一家を殺害、現金やキャッシュカードを奪い主犯2人は中国へ逃走したが、日本と中国で共同捜査が行われ犯人は早期逮捕に至った
3人のうち2人は死刑執行済、1人は無期懲役となっている。

9月16日|名古屋立てこもり放火事件発生


名古屋立てこもり放火事件とは、運送会社の賃金不払いに抗議した社員の男性が会社の営業所センターでガソリンに火をつけ自爆、加害者とを含む3人が死亡した事件のことである
立てこもりはTVで中継され、爆発の瞬間もカメラにおさめられた。

立てこもった男は3か月分の給料を指定の銀行口座へ振り込ませたが、支店長を除く人質を解放したあと、ライターでガソリンに火をつけ自爆した。
加害者と支店長は焼死し、階段で待機していた巡査長が一酸化中毒で殉職、41名が重軽傷を負った。

この事件を機にポリ容器等でのガソリン販売が禁止が徹底され法改正がなされた。

12月18日|館山市一家4人放火殺人事件発生

JapaneseClassより引用

館山市一家4人放火殺人事件とは、日常的にに放火を繰り返していた男性が連続放火により5人を殺害した事件である。

加害者男性は仕事の鬱憤を、日常的な放火により晴らしていた。
1998年には千葉県館山市北条のキャバレーを放火により全焼させ、住み込みの男性従業員を焼死させた。
人を殺してしまったことにショックを受けた男性だったが、時が経過し罪悪感も薄れ再び放火を行うようになる。

そして12月19日、スナックからの帰路で加害者は住宅に放火し一家4人を焼死させてしまう。

2010年9月に死刑が確定し、2020年現在は死刑囚として東京拘置所に拘留されている。

12月23日|名古屋ドル紙幣ばら撒き事件発生

ニュースターナゴヤblogより引用

名古屋ドル紙幣ばら撒き事件とは、後に破綻する足利銀行のデイトレードで8000万を儲けた男性が、ドル紙幣をテレビ棟の屋上からまき散らした事件のことである。

あしぎんフィナンシャルグループの株を1円と5円の時に600万株購入した男性は、15円の時に株を売却した。
これにより8000万円ほどの利益を得た男性は「株で簡単に儲けられたことに嫌気がさし」1ドル紙幣と旧100円紙幣を合わせた総額100万円を、名古屋テレビ塔の屋上展望台からまき散らした。

男性はすぐに確保されたが、反省の弁を述べたため起訴はされなかった。
当時はネット環境が整い、株のデイトレードブームが沸き起こった時期であったため、デイトレブームを象徴する事件として注目された。

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