この記事では2006年(平成18年)のニュース・文化芸能・事件について解説しています。
2006年(平成18年)の主要ニュース
1月21日|2006年から大学入試センター試験で英語のリスニングテストが導入される⇒不具合による再試験が多発
BuzzFeedより引用
2006年からセンター試験に英語のリスニングテストが導入された。
これは、読み書きだけでなく実用的な英語を身につけてほしいという大学の要望を汲んだものであった。
リスニングのツールとしてICプレイヤーが導入されたが、2006年度のリスニングテストでは全国の試験会場でICプレイヤーの不具合などが生じ、再テストが行われるというトラブルが相次いだ。
翌2007年には381人が再試験を受け、14年が経過した2020年にも109名がリスニングの再試験を受けている。
1月23日|ライブドア事件発生、堀江貴文社長が粉飾決算を理由に逮捕される⇒堀江貴文に2年6カ月の実刑判決
ライブドア事件とは、ライブドアが2004年9月期に提出した有価証券報告書に虚偽内容を掲載したとして、証券取引法等に問われ取締役らが2006年1月23日に逮捕された事件である。
2004年9月期に3億円の経常赤字であったライブドアは、ライブドアが出資していた投資事業組合がライブドア株を売却することで得た利益を計上し、50億円の経常黒字としていた。
2011年4月26日に最高裁がライブドア社長の堀江貴文の上告を棄却したため、堀江に対する2年6カ月の実刑判決が下った。
ライブドア事件の余波は株式市場にも流れ込んだ。
2006年1月16日に証券取引法違反容疑で東京地検特捜部がライブドアに強制捜査を行ったことで、ネット証券がライブドア関連銘柄の代用有価証券掛け目の引き下げを行った。
ライブドア関連の銘柄を担保に信用取引を行っていた市場参加者は狼狽売りを開始し、売りが売りを呼び東京証券取引所の売買処理券数の上限に迫る勢いとなり、全銘柄の取引停止措置がとられるなど混乱が生じた。
また2006年6月5日にはインサイダー取引の疑いで村上ファンドの村上世彰代表が逮捕され、証券業界を席巻した両者が狙い撃ちされた
2月16日|堀江メール問題発生⇒捏造であることが発覚し、民主党党首の辞任に発展
堀江メール問題とは、堀江貴文が2005年の衆議院選挙出馬の際、自民党の武部勤幹事長に金銭を贈与し自民党の支援を受けたという疑惑が持ち上がった事件であったが、証拠となったメールが捏造であることが判明した問題である。
堀江メール問題を指摘した民主党の永田は議員辞職に追いやられている。
ライブドアの粉飾決算で逮捕された堀江貴文は、実質的な自民党の候補として出馬していたことや、メディアへの露出の多さから注目を浴びていた人物であった。
郵政解散総選挙で大勝した自民党に対し、民主党は堀江メール問題を武器として切り崩しにかかった。
民主党の永田寿康は衆議院予算委員会で、堀江貴文が自身の衆議院出馬に際して自民党幹事長の次男に対するコンサルタント費用3000万円を振り込むよう、社内電子メールで指示したとして自民党の責任を追求した。
マスコミは武部にコメントを求めたが、事実関係を否定した。
また小泉純一郎内閣総理大臣も「ガセネタ」と発言し、当時堀江を取り調べしていた東京地検も「事実関係の把握はない」とし、ライブドア社も該当メールは把握していないと述べた。
民主党はメールには信ぴょう性があるとしていたが、堀江が送ったとする文章は文体に不自然な点が多い点などから、偽造の可能性が高まっていた。
3月31日にはメールが偽造であったとして民主党党首の前原が辞職し、これを受けて永田も議員を辞職した。
永田は辞職後、国政復帰を目指したが叶わず、妻からの離婚調停などに巻き込まれ精神に異常をきたし、2009年1月に自殺している。
堀江メール問題を仲介したのは西澤孝であり、メディアの間では数々の捏造記事を持ち込むことで有名な男性だった。
9月6日|紀子さま、男児を出産(悠仁親王)⇒皇位継承問題の議論が白紙になる
昭和から平成にかけ皇室で連続して女児が誕生したことで、男性皇族が少なくなり皇族が断絶する可能性が指摘されていた。
2004年の段階で、秋篠宮文仁親王の39歳が最年少の男性後続であり、以降は女性が9名連続して誕生していた。
これにより女系天皇問題や女性天皇問題が議論として沸き起こっており、政府は有識者会議による懇談会を行い、2005年10月には皇位継承資格を女系皇族へ拡大することを決定した。
しかし2006年の2月に文人親王妃紀子の第3子懐妊が発表される。
9月6日に第1男子である悠仁親王が誕生し、皇位継承問題についての論議は白紙撤回されることとなった。
9月9日|滝川市小6いじめ自殺事件発生⇒いじめ事件が多発した2006年を象徴する事件となった
滝川市小6いじめ自殺事件とは、北海道滝川市の小学校に通っていた6年生女児がいじめを苦に自殺した事件である。
女児は修学旅行の班決めの際に、女子グループには入ることができず男子だけのグループに入るなどいじめを受けていた。
女児は9月9日に遺書を7通残し、首つり自殺を図り2006年1月6日に死亡した。
滝川市委員会は2005年11月にいじめはなかったと結論付けていたが、2006年9月に遺族が遺書を公開するなどしたことでマスコミによる報道が開始され、滝川市教育委員会は遺族に謝罪を行った。
この事件で滝川市教育委員会の教育長が辞職、幹部職員2人を停職2カ月の懲戒処分、校長を減給1か月、教頭と担任教師に訓告処分などが下されている。
また民事では遺族が滝川市・北海道に対し7900万円の損害賠償訴訟を行っているが、和解している。
2006年は10月11日には福岡中2いじめ殺人事件、10月23日には岐阜県瑞浪市立瑞浪中でいじめにより中学2年生が自殺、11月14日には新潟県上林村男子中学生自殺事件が発生するなどいじめ問題が深刻化した1年となった。
9月26日|小泉純一郎が任期満了により総辞職⇒安倍晋三内閣発足
2001年4月26日に発足した小泉内閣が、任期満了に伴い退陣した。
任期満了で首相が退任するのは1987年の中曾根康弘以来であり、小泉首相への支持は任期が満了するまで衰えることはなかった。
「自民党をぶっ壊す」というスローガンで内閣総理大臣に指名された小泉純一郎は、郵政三事業の民営化を筆頭に構造改革を推進した。
また外交では初の日朝首脳会談を行い、日本人拉致被害者を帰国させるなどマスコミを巻き込んだ「劇場型」と呼ばれる戦略で、国民の高い支持を集めた。
任期満了後は安倍晋三が内閣総理大臣に就任した。
10月23日|佐藤栄佐久前知事を逮捕⇒県知事の相次ぐ逮捕に県民の不信感が募る
アエラドットー朝日新聞デジタルより引用
福島県知事の佐藤栄佐久、和歌山県知事の木村良樹、宮崎県知事の安藤忠恕が相次いで逮捕された。
容疑は工事発注に絡む収賄や競売入札妨害などであり、和歌山県の木村知事は逮捕後に辞職し、刑事裁判で懲役3年執行猶予4年の刑が下された。
福島県の佐藤栄佐久知事は懲役3年執行猶予5年、宮崎県の知事には懲役3年6ヶ月の有罪判決が出ていたが、上告中に死去したため公訴棄却となった。
県知事の汚職が次々と発覚したことにより、県民の行政への不信感が高まった。
2006年(平成18年)の文化・芸能ニュース
6月1日|改正道路交通法が施行⇒駐車違反の取り締まりが警察から民間へ
赤帽ハッピーサービスより引用
7月18日|お笑いコンビ極楽とんぼの山本圭一が、未成年者との飲酒・淫行のため吉本興業を解雇
11月9日|ミュージシャンのIZAMとタレントの吉岡美穂が結婚⇒3人の子供に恵まれる
ROCK NOTEより引用
11月13日|矢田亜希子と押尾学が結婚⇒2年後に事件が原因で離婚
芸能ニュース 知っトク情報より引用
12月6日|石原真理子が「ふぞろいな秘密」で過去に付き合った男性俳優13名を曝露
AIKRU(アイクル)より引用
2006年(平成18年)のスポーツ
2月10日|トリノオリンピック開幕
日本は金1つを獲得
6月9日|2006FIFAワールドカップ開幕⇒
2006FIFAワールドカップは、ドイツを舞台に開催された第18回目のワールドカップである。
ジーコ監督率いる日本は、アジア予選のB組を1位で突破し、グループFでオーストラリア、クロアチア、ブラジルと対戦することとなった。
初戦のオーストラリアに1-3で敗れると、クロアチア戦は0-0のスコアレスドロー、3戦目では優勝候補筆頭のブラジルに先制するも1-4で敗れ、2大会連続の決勝トーナメント進出を逃した。
予選敗退決定時に日本人サポーターの心を捉えたのは、ブラジル戦後、ピッチに仰向けに倒れる中田英寿の姿だった。
中田は、ブラジル戦10日後の7月3日に現役引退を表明している。
大会結果は、グループリーグから決勝までで2失点しか許さなかった堅守を誇るイタリアが優勝、準優勝はフランスであった。
その他、3位ドイツ、4位ポルトガル、前評判が高かったブラジルとアルゼンチンはベスト8で敗退している。
決勝戦では、この試合が現役ラストゲームであったフランスのジネディーヌ・ジダンが、延長後半5分にイタリアのDF・マテラッツィに頭突きを見舞って一発退場となり話題になった。
原因は明らかになっていないが、マテラッツィがジダンの家族を侮辱したという説がある。
8月2日|WBA世界ライトフライ級タイトルマッチで、亀田興毅がファン・ランダエタを判定で破り世界王座獲得
亀田興毅は、WBA世界ライトフライ級、WBC世界フライ級、WBA世界バンタム級の3階級制覇を達成した元プロボクサーである。
そんな亀田が初めて王座を獲得したのが、このWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ、ファン・ランダエダ戦である。
両者一歩も引かない熱戦であったが、12-10で亀田が判定勝ちを収め、見事王座を獲得した。
10代での世界王者は歴代3人目である。
しかし1R終了間際に亀田はダウンを喫しており、ランダエダ優勢の見方が強かったため、この時の判定結果には多くの議論が沸き起こった。
同年12月20日にはランダエダとの再選が行われ、判定勝ちで防衛に成功している。
8月20日|全国高等学校野球選手権大会の決勝、早稲田実業と駒大苫小牧の対戦は延長15回でも決着がつかず引き分け再試合。
第88回全国高校野球選手権の決勝戦、早稲田実業と駒大苫小牧の試合が行われた。
試合は延長15回(1-1)でも決着がつかない接戦となり、翌日の再試合となる。
再試合は、4-3で早稲田実業に軍配があがった。
両者一歩も譲らず大接戦となったこの試合は、高校野球史上に残る名勝負だと言われている。
この試合は大会を代表する2人の投手、斎藤佑樹(早稲田実)と田中将大(駒大)の投げ合いも注目を浴びた。
さらに、この大会で最も記憶に残るシーンのひとつが、斎藤佑樹がハンドタオルで汗を拭く姿である。
端正な顔立ちも相まって高い人気を博した斎藤は「ハンカチ王子」と呼ばれ、ハンカチ王子はこの年の流行語トップ10にも入っている。
2006年(平成18年)の主要事件
2月1日|京都伏見介護殺人事件発生
京都伏見介護殺人事件とは、母親の介護にあたっていた男性が経済的に困窮し、心中目的で母親を殺害した事件である。
殺人事件にも関わらず執行猶予3年がついた異例の事件である。
男性は父親の死後、認知症を発症した母親を一人で介護していたが、経済的な余裕がなくなり生活保護を申請した。
しかし休職中であることなどを理由に生活保護申請は受け付けてもらえなかった。
金銭的に困窮した男性は京都の桂川の河川敷で最後の会話を交わした。
母親は「もう生きられへんのやで。 ここで終わりやで。」「そうか、あかんか。 一緒やで。」「こっち来い、わしの子や。」などと言った。
男は母親の首を絞めて殺害し、包丁やロープで自殺を図ったが失敗し逮捕された。
裁判では「もう一度母の子に生まれたい」と供述すると裁判官は言葉を詰まらせ、検察官でさえ男に同情し、殺人事件にも関わらず執行猶予3年という温情判決が下された。
男はその後職を得て生活していたが、不況によるリストラにより退職、2014年に琵琶湖大橋から投身自殺した。
身に着けていたポーチからは母親のへその緒と「一緒に焼いてほしい」という書置きが見つかった。
3月3日|高知白バイ衝突死事故発生
高知白バイ衝突死事故とは、高知県で発生した白バイ警官の死亡事故であるが、冤罪の可能性があり被告は再審請求を行っている。
道路左側から出てきたスクールバスが、高知県警の巡査長が運転する白バイと衝突し、巡査長が死亡した。
スクールバス側が安全を確認せず道路側に侵入したことが原因として、運転手が逮捕・起訴されたが、事故発生時にバスは停止しており証人もいるとして無罪を主張した。
裁判では検察側は「バスが急ブレーキを踏んだことによるスリップ痕がある」と主張し、禁錮1年4カ月の刑が下された。
しかし警察官がスリップ痕を捏造したことが疑われており、冤罪の可能性が高いと言われている。
4月10日|秋田児童連続殺害事件発生
秋田児童連続殺害事件とは、小学校4年生の女子児童が水死体となって発見され、翌月には女子児童宅の2軒隣の男子児童が川岸で遺体で発見された事件である。
犯人は女子児童の母親の畠山鈴香であり、最初の事件発生当初は事故として処理されていた。
犯人は娘への嫌悪から児童を川へ突き落とし殺害し、犯人の供述から警察は事件を事故として処理していた。
しかし翌月に死亡した女子児童と仲の良かった男子児童が、絞殺され川岸へ放置されているのが発見される。
2件目の殺害で警察は女子児童の死亡も殺人事件の可能性が高いと判断し、捜査を開始、女子児童の母親が逮捕された。
また事件はメディアで大きく取り上げ、畠山鈴香の高校時代の卒業アルバムなどが公開された。
卒業アルバムには犯人に対して「会ったら殺す」「戦争に早く行け」などいじめを受けていた様子が記されており、高校では校内の窃盗により停学処分を受けていたことがわかるなど、事件に加え畠山鈴香の生い立ちが話題となった。
犯人には無期懲役の刑が下されている。