この記事では1998年(平成10年)に流行したヒット商品番付を紹介しています。
目次
1998年(平成10年)に流行したヒット商品ベスト8を紹介・解説
まずは1998年(平成10年)に流行したヒット商品ベスト8を見てみましょう。
横浜 | 横綱 | 消費税分還元セール |
スカイマークエアラインズ | 大関 | 100円ショップ |
半額ハンバーガー | 関脇 | タイタニック |
VAIOノート505 | 小結 | iMac |
1998年(平成10年)最大のヒット商品は横浜と消費税分還元セール
ぶたさん
あざらし君
スポーツを通して横浜市民や経済が盛り上がる
この年は松坂大輔擁する横浜高校が甲子園春夏連覇を達成。
プロ野球では、横浜ベイスターズが「大魔神」佐々木主浩の活躍もあり38年ぶりの日本一に。
これらの出来事に横浜市民やファンが盛り上がり、「ワクワク感」が消費に直結。
優勝記念セールもあり、高島屋横浜店や横浜松坂屋などが大きく売り上げを伸ばしました。
横浜ベイスターズ優勝の経済効果は600億円を超えるとも言われました。
お祭り気分が消費パワーに
(出典:https://blog.itoyokado.co.jp/shop/197/index.html)
横浜の盛り上がりのように、お祭り気分が消費パワーを生み出すのは「消費税分還元セール」でも同様でした。
イトーヨーカドーを筆頭にスーパー各社が「不況突破」や「生活打破」を打ち出し、「ほぼ全品一律5%引き」を実施。
各社とも売り上げを伸ばし、その後は7%引きや10%引きと、割引率競争へと入っていきます。
1998年(平成10年)は価格マーケティングが大成功
スカイマークエアラインズは35年ぶりに定期航空路線に参入。
従来の運賃の「半額」を実現し、平均搭乗率8割を維持。
2020年現在でも安さを武器に多くの乗客を集めている航空会社で、JAL、ANAに次ぐ国内第3位の規模を誇っています。
一方、100円ショップは「均一」を武器に消費者を集めました。
最大手の大創産業は年商750億円を達成。
100円ショップは巨大な仕入れ力で様々な商品を取り揃えており、買いまわる縁日的な楽しさは「主婦版ゲームセンター」とも評されました。
大創産業はその後も順調に業績を伸ばし、2020年現在ではなんと年商4700億円超を達成しています。
また、マクドナルドも「半額」戦略を実施。
通常130円のところを65円とした半額ハンバーガーは夏のキャンペーン期間中、前年同期の10倍近くの売り上げを達成しました。
「スカイマークエアラインズ」「100円ショップ」「半額ハンバーガー」ともに、価格マーケティングの有効性を実証しました。
1997年の12月にはアメリカの映画『タイタニック』が日本でも公開。
日本における配給収入160億円を記録し、1998年の洋画部門第1位。
タイタニック号の船首に立つレオナルド・ディカプリオ(ジャック・ドーソン)とケイト・ウィンスレット(ローズ・デウィット・ブケイター)のシーンはあまりにも有名です。
2012年には3D版の映画も公開されました。
またインターネット時代の到来と共に、ネット端末・デバイスも新商品が投入されます。
ソニーはノート型パソコンVAIOノート505を発売。
外観のオシャレさも受け、販売台数12万台を突破。
他社も追随し、「銀パソ」市場を形成しました。
一方アップルはiMacを発売。
こちらも、半透明のボディーでパソコンを「かわいい」と言わせた外観が受け、発売1ヵ月で4万台を販売。
女性や若者が需要の牽引役となりました。
1998年(平成10年)その他のヒット商品を解説
次にその他のヒット商品を見てみましょう。
ポケットピカチュウ | 前頭 |
ポケットボード(NTTドコモ) |
キャミソール | 前頭 |
桃の天然水(JT) |
美白化粧品 | 前頭 | 「Pleasure」「Treasure」(ベスト盤CD) |
麒麟淡麗〈生〉(キリンビール) | 前頭 | 新規格軽自動車 |
「安・遠・短」国内旅行 | 前頭 | ファインビックス700(富士写真フイルム) |
外資系金融機関 | 前頭 | ポリフェノール食品 |
平面ブラウン管テレビ | 前頭 | 東京電話(東京通話ネットワーク) |
リスク細分型自動車保険 | 前頭 | 明石海峡大橋 |
日本代表(サッカーW杯、長野五輪) | 前頭 | 文具通販 |
電車でGO!(タイトー) | 前頭 | バイアグラ |
インストアブランチ | 前頭 | アニマル柄 |
海ほたる | 前頭 | 「大河の一滴」(五木寛之著・幻冬舎) |
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
あざらし君
前年はアサヒの「スーパードライ」がヒット商品番付に入っていましたが、この年はキリンビールの商品「麒麟淡麗〈生〉」が番付入り。
キリン初の発泡酒として発売され、発泡酒でのシェアは5割を超えました。
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
また、この年は前年のポケットモンスターのヒットの流れを受け、ポケットピカチュウが話題に。
歩数計とゲームを合わせたような携帯用小型ゲーム機で、歩くほどにピカチュウが成長するというシステムになっており、子供だけでなく大人もピカチュウと一緒に歩いていました。
現在も交通面で欠かせない明石海峡大橋が開通したのもこの年です。
兵庫県の神戸市と淡路市を結ぶ世界最長の吊り橋(2020年現在)で、淡路島の宿泊客が倍増するなどの経済効果も生み出しました。
前年の12月にオープンした、東京湾アクアライン上にあるパーキングエリア海ほたるも人気に。
単なるパーキングエリアにとどまらず、展望デッキやモニュメント、ご当地グルメも楽しめるなど、観光スポットにもなっています。
そして、この年は日本で長野オリンピックが開催。
スキージャンプの日の丸飛行隊や女子モーグルの里谷多英、スピードスケートの清水宏保、岡崎朋美など、日本代表として日本人選手も多く活躍しました。
また、フランスで行われたサッカーW杯に日本が初出場。
残念ながらグループリーグ3戦全敗となってしまいましたが、中山雅史が日本代表としてW杯初得点を決めました。
ネット関係で言えば文具通販がヒット。
文具通販でピンとこない人でもアスクルと言えば馴染みのある人もいるでしょう。
アスクルはカタログでオフィス向けの文具・オフィス機器を販売していましたが、本年よりネット通販を開始、売上高が前年比2倍となりました。
また米国で勃起不全治療薬のバイアグラが販売されると、日本でも薬の個人輸入で手に入れ売人が続出。
一方で血管拡張作用があるため、心疾患のある人が服用後死亡するなど、医師処方箋なしで安易に購入することが問題視されました。
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
書籍では、五木寛之の随筆『大河の一滴』がこの年のベストセラー第4位に。
頑張ることに疲れてしまった人へ、まずあきらめることから始めようと説いた1冊で、40~60代の「いやし本」となりました。
2001年には映画化もされています。
音楽の分野では、大人気ロックユニットB’zのベストアルバム『B’z The Best “Pleasure”』『B’z The Best “Treasure”』が大ヒット。
2枚合わせて1000万枚以上を売り上げました。