1997年(平成9年)に流行した懐かしのヒット商品番付を解説

ヒット商品

この記事では1997年(平成9年)に流行したヒット商品番付を紹介しています。

1997年(平成9年)に流行したヒット商品ベスト8を紹介・解説

まずは1997年(平成9年)に流行したヒット商品ベスト8を見てみましょう。

もののけ姫 横綱 東京三菱銀行の預金
ポケットモンスター 大関 たまごっち
モバイル情報機器 関脇 ダイアナ妃追悼CD
アサヒ スーパードライ 小結 失楽園

1997年(平成9年)最大のヒット商品はもののけ姫と東京三菱銀行の預金

ぶたさん

この年の横綱は「もののけ姫」と「東京三菱銀行の預金」だよ
『もののけ姫』は今でも人気だし、何度でも観たくなるよね。

あざらし君

ジブリ映画の傑作が公開


この年はジブリ映画の傑作『もののけ姫』が公開。
キャッチコピーの「生きろ。」という言葉は当時の若者の心をとらえ、現在でも度々金曜ロードショーで放送されている大人気映画です。

配給収入は113億円を記録し、日本公開の映画としては初めて100億円超えを達成。
1997年邦画の配給収入ランキングで1位となっています。

また、米良美一が歌う主題歌も話題となりました。

ぶたさん

自然と人間の共存という重いテーマを、宮崎駿ならではの高いエンターテイメント性で描かれたね

金融危機が人々を不安に


この年は三洋証券のデフォルトをきっかけに、大手金融機関が相次いで倒産。
「平成金融危機」とも呼ばれるこの出来事により金融機関に対する不安を持った人々は、格付け会社の評価が高かった東京三菱銀行に殺到。
同行の個人預金は年間で2兆円以上も増えました。

1997年(平成9年)は消費の夢を子供たちに託したか!?

現在でも人気のポケットモンスターシリーズですが、1996年に発売された初代ポケットモンスターとなる『ポケットモンスター 赤・緑』が累計750万本を突破するなど大ヒット。
またアニメの放送も1997年4月に開始し、現在も続く超ロングセラー人気アニメとなっています。

1997年は特に子供を中心に大人気となりましたが、第38話放送時には「ポケモンショック」や「ポリゴンショック」などと呼ばれる騒動が発生。
この回ではストロボやフラッシングなどの激しい点滅が多用され、それによって視聴者が光過敏性発作などを引き起こしました。


また、バンダイから発売された携帯型電子ペット育成ゲーム「たまごっち」が子供たちを中心に大人気となります。
ゲーム内容は、キャラクターに餌を与えたり糞の掃除をすることでキャラクターの育成を楽しむというもの。

あまりの人気ぶりに、定価1980円のたまごっちに数万円の値が付くという異常事態も生まれ、その人気は日本だけにとどまらず海外でも2000万個を販売する大ヒットとなりました。

ポケットモンスターやたまごっちは、不況に直面した団塊の世代が子供たちに消費の夢を託した結果とも言えます。

この年は、モバイル情報機器の市場も拡大。
時間的、空間的制約を廃して活動の自由度を高めようとするビジネスパーソンが需要の牽引役となりました。
特に、シャープが発売した携帯情報端末「ザウルス」は40万台超を売り上げました。

また、1997年8月31日にパパラッチとのカーチェイスの末に交通事故で他界したダイアナ妃を追悼したCD『キャンドル・イン・ザ・ウインド1997』もヒット。
このCDはエルトン・ジョンの楽曲『キャンドル・イン・ザ・ウインド』のリメイク版で、日本で70万枚、世界で3300万枚を売り上げました。

大手ビールメーカーのアサヒが販売するビール「スーパードライ」は「キリンラガー」を抜き、年間シェアNo.1に。
現在でも愛されるロングセラー商品となっています。

また、この年は渡辺惇一による恋愛小説『失楽園』を原作とする映画やドラマも大ヒット。
映画は配給収入23億円を記録し、『もののけ姫』に次ぐ邦画部門の第2位に、ドラマは平均視聴率20%を超える人気となりました。
作品の内容から、「不倫する」という言葉は「失楽園する」に置き換えられ、「失楽園(する)」はこの年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれています。


1997年(平成9年)その他のヒット商品を解説

次にその他のヒット商品を見てみましょう。

「少年H」 前頭
ガーデニンググッズ
デジタルカメラ 前頭
赤ワイン
プレイステーション 前頭 デジタルビデオカメラ
キシリトールガム(ロッテ) 前頭 小顔化粧品
国内線マイレージサービス 前頭 マイペディア97(CD-ROM百科事典)
プリウス(トヨタ自動車) 前頭 セピア色の写真
キリンサプリ 前頭 電子マネー
家庭用生ごみ処理機 前頭 Gショック(カシオ)
MDプレーヤー 前頭 厚底サンダル・ブーツ
JR京都伊勢丹 前頭 ウイスキー
発光体付きシューズ 前頭 バーバリー・ブルーレーベル
ベルギーワッフル 前頭 クイーンズスクエア横浜

ぶたさん

1997年(平成9年)のヒット商品で現在も残っているのは何があるかな?
電子マネーは今では欠かせないものになってるけど、現在の電子マネーとは異なり、ネット通販でのクレジット決済などを含めたものを指していたんだ。

あざらし君

この年は航空3社が国内線マイレージサービスを開始。
会員数は合計200万人以上に達し、乗客の囲い込み競争が激化しました。
現在はクレジットカード利用などでもマイルを貯めることができるため、飛行機に乗らずにマイルを貯める「陸マイラー」という言葉も生まれています。

トヨタ自動車は世界初の量産ハイブリッド専用車「プリウス」を発売。
二酸化炭素の排出量を半分にしたプリウスは、世界的課題である地球温暖化への関心が購買行動に結びついてヒット。
「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーで発売されたプリウスは、2020年現在、4代目が販売されています。

デジタルカメラはパソコンに画像を取り込むことができるなど新機能が受けて、デジタルビデオカメラはソニーの「スタミナハンディカム」を筆頭に、パナソニックやビクターが追随する形で市場が拡大。

ぶたさん

ソニーのゲーム機プレイステーションは1994年発売だけど、この年のヒット番付に入ってるんだね。
『ファイナル・ファンタジーVI』などの人気ソフトがハードのシェアを決定づけたんだ。

あざらし君

書籍では、妹尾河童が昭和14年に体験した出来事をベースとした自伝的小説『少年H』がベストセラー第5位に。
タイトルの「H」は本名である「肇」のイニシャルから取られており、「少年H」こと妹尾肇が体験した、愛と笑いと勇気の物語は2013年には映画化もされるほどの人気となりました。

ロッテからキシリトールガムが発売されたのもこの年。
現在でも歯を丈夫で健康に保つとして、コンビニなどでよく目にするロングセラー商品です。

ウイスキーは10月に酒税法が改正されて以降、売り上げが増加。
値下げは1本300~400円でしたが、これが家庭浸透の決定打となりました。

ぶたさん

赤ワインは成分の一つであるポリフェノールが動脈硬化を防ぐとして、健康ブームに乗って売り上げを伸ばしたんだ。
家庭では、にわかソムリエも誕生したみたいだよ。

あざらし君

この年は京都駅の駅ビルとしてJR京都伊勢丹が開業。
開業以来34ヶ月連続で前年を上回る売上高を記録するなど、不況の中でも大盛況を誇りました。
2020年現在でも営業中で、オンラインストアも運営しています。

また、神奈川県横浜市のみなとみらいには複合商業施設クイーンズスクエア横浜が開業。
オフィスやホテルを含んだ施設となっており、オフィスビルは低い入居率に悩みましたが、ショッピングモールは盛況。
横浜の新名所となりました。

イギリスを代表するファッションブランドであるバーバリーは「バーバリー・ブルーレーベル」を発売。
それまでバーバリーは高級で手が届きにくいという印象でしたが、価格を抑えた「バーバリー・ブルーレーベル」は若い世代にも浸透。
特に、安室奈美恵が結婚会見ではいたチェックのミニスカートは翌日には店舗から姿を消すほどでした。

また同じくファッション業界では厚底サンダル・ブーツが大流行。
安室奈美恵のファッションを模倣した「アムラー」の登場により、厚底ブーム・アムラーブームが沸き起こりました。

ぶたさん

この年は引き締め効果や陰影効果で小顔に見せるための小顔化粧品も流行ったんだって。
今も小顔矯正アイテムはたくさんあるし、小顔に見えるポーズなんかも流行ってるよね。

あざらし君

ぶたさん

小顔も安室奈美恵の特徴だし、安室奈美恵は1997年のヒット商品番付にとてつもない影響を与えたことになるね

大人が厚底を履く一方で、子供向けのヒット商品となったのは発光体付きシューズ

発光体付きシューズ

夜の道を歩く子供の足元が、チカチカと点滅する様子が良く見られました。

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