この記事では1980年(昭和55年)に流行したヒット商品番付を紹介しています。
目次
1980年(昭和55年)に流行したヒット商品ベスト10を紹介・解説
まずは1980年(昭和55年)に流行したヒット商品ベスト10を見てみましょう。
VTR | 横綱 | マイコン |
郵便貯金 | 大関 | ルービックキューブ |
釣り具 | 関脇 | なし |
ファミリーバイク | 小結 | 圧力なべ |
携帯用ヘッドホンステレオ | 小結 | 35ミリ自動焦点カメラ |
1980年(昭和55年)最大のヒット商品はVTRとマイコン
ぶたさん
あざらし君
価格低下によりVTRの普及が加速
(出典:https://ja.wikipedia.org)
「ビデオテープレコーダー(VTR)」とはテレビを録画するための機器であり、日本では1980年頃に一般家庭への普及が進みました。
価格の低下などがヒットの一因で、出荷台数は前年比87%増となり1980年のヒット商品番付で横綱に入りました。
しかし、当時導入されていた物品税(ぜいたく品に課税される税)が上昇したことで価格は14万円台で下げ止まりました。
ぶたさん
ビジネスパーソンには必須のスキルに
(出典:https://ja.wikipedia.org)
1980年は重さ10g、価格約5万円の「マイクロコンピュータ(マイコン)」も人気となりました。
また、マイコンにあわせて普及し始めたパーソナルコンピュータはビジネスパーソンに求められるスキルとなっていき、現在のビジネスでは使えるのが当たり前と言えるまでになりました。
1980年(昭和55年)は大人向けの趣味が人気を集める
1980年は4月から11月にかけて最高金利が年8%になるなど、高金利の影響で長期の定額貯金をはじめとする「郵便貯金」に人気が集まりました。
元本350万円までは受取利息が非課税という通称「郵貯マル優」も人気を集めた理由の一つとなりました(郵貯マル優制度は郵政事業民営化に伴い廃止)。
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ハンガリーの建築学者が考案した「ルービックキューブ」もヒットしました。
大人向けの知的な趣味として100万個を超える売り上げを記録し、1980-1981年に大きなブームを巻き起こしましたが、1981年のガンプラブームにより人気は凋落してしまいます。
1980年は冷夏の影響で海水浴の代わりに釣りを楽しむ若年層が増え、釣り具が売り上げを伸ばしました。
冷夏以外にも、釣りを題材にした漫画『釣りキチ三平』が45巻で1500万部を売り上げ、1980年4月からはアニメが放送されたこともあり、釣りブームを盛り上げる一因となりました。
1980年にはこれまで女性向けの乗り物と考えられていた「ファミリーバイク」が、男性層にも広がりヒット商品となりました。
3月にはヤマハ発動機から「男のソフトバイク」をキャッチフレーズとしたオートバイ「ヤマハ・タウニィ」が発売され売れ筋となりました。
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家庭向けの商品としては「圧力なべ」が人気となり、国産はもちろんイタリア製など様々な商品が登場し、調理時間の短縮や省エネに貢献しました。
1977年に松下電器産業(現Panasonic)が電気圧力鍋を発売すると、共働き世帯などに「短時間で美味しい料理がつくれる」という理由で広がり、1980年にはヒット商品番付にランクインしました。
1979年にはソニーからポータブルオーディオプレイヤー「ウォークマン」が発売されたことで、携帯用ヘッドホンステレオが普及し始めました。
ウォークマンのヒットを受けて一時期はソニーの独走状態でしたが、1980年の夏頃からは松下電器産業(現・パナソニック)や東芝といった大手各社も参入し、携帯用ヘッドホンステレオの人気が加速していきました。
また、小西六写真工業(現・コニカミノルタ)や富士フィルム、キャノンなどから発売された35ミリ自動焦点カメラも人気となりました。
特にキャノンから1979年に発売されたオートフォーカスカメラシリーズ「オートボーイ」は、オートフォーカスに自動巻き上げ巻き戻しの機能が付いたカメラで、女性や子供向けとしてヒットしました。
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1980年(昭和55年)その他のヒット商品を解説
次にその他のヒット商品を見てみましょう。
ダウン(羽毛)もの | 前頭 |
スポーツウエア |
防災用具 | 前頭 |
低価格時計 |
ヨード卵 | 前頭 | 生ビール |
漫才 | 前頭 | クッキングワイン |
家具調こたつ | 前頭 | 高級洋風総菜 |
中国茶 | 前頭 | 低脂肪ミルク |
ローラースケート | 前頭 | 週刊誌 |
ブルゾン | 前頭 | アルト |
大衆キャブオーバー型ワゴン | 前頭 | カシミヤセーター |
粉せっけん | 前頭 | クイッククェンチチューインガム |
つっぱり君 | 前頭 | 地酒 |
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また1980年は山口百恵の婚約発表や引退、ジョン・レノンの射殺、一億円拾得事件など様々なニュースが話題となったことで週刊誌が売れ行きを伸ばし、中には前年比で2桁増となった月もありました。
1980年は6月に伊豆半島東方沖で最大震度5の群発地震が、9月には千葉県北西部で最大震度4の地震が発生しました。
海外ではイタリアやアルジェリアでも数千人の死者を出す大地震が発生したこともあり、日本でも防災意識が高まり非常食や懐中電灯などの防災用具が売れ行きを伸ばしました。
ファッションではダウンジャケットなどのダウン(羽毛)ものや丈の短いハーフコートのブルゾン、カシミヤセーターなどがヒットしました。
百貨店によってはダウンジャケットが3倍、ブルゾンが2.8倍、カシミヤセーターが約4割増の売り上げとなった店舗もありました。
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1979年にディスコミュージックや照明に合わせてローラースケートで滑る「ローラーディスコ」やが沖縄で登場するなどし、1980年にはローラースケートが人気となりました。
一時期は品不足に陥るほどの売れ行きで、新規参入業者の商品や台湾からの輸入品も出回りました。
1979年にスズキから初代が発売された自動車「アルト」は価格の安さや省エネが売りとなりヒットしました。
初代以降もモデルチェンジが続けられており、2020年現在では8代目が発売されています。
ロッテの商品「クイッククェンチチューインガム」は喉の渇きを癒すガムとして発売され、運動する人を中心に人気となりました。
一度は1992年に販売終了となりましたが、2020年現在は復刻販売されています。
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メディアでは漫才ブームが巻き起こり、ツービートやB&Bなどが人気を博しました。
ツービートは書籍『ツービートのわッ毒ガスだ』も出版しており、1980年のベストセラーランキングで3位にランクインしています。