この記事では1999年(平成11年)に流行したヒット商品番付を紹介しています。
目次
1999年(平成11年)に流行したヒット商品ベスト8を紹介・解説
まずは1999年(平成11年)に流行したヒット商品ベスト8を見てみましょう。
低価格パソコン | 横綱 | 宇多田ヒカル |
iモード | 大関 | 福岡ダイエーホークス |
ヴィッツ | 関脇 | エゴイスト |
リアップ | 小結 | 百貨店閉店セール |
1999年(平成11年)最大のヒット商品は低価格パソコンと宇多田ヒカル
ぶたさん
あざらし君
情報武装が道を切り開く手段
この頃は、企業の再編や淘汰、リストラなどによる収入減や失業という現実において、情報武装こそが自分で道を切り開く手段でした。
そんな中、新興メーカーであるソーテックが火付け役となり10万円を切る低価格パソコンがヒット。
パソコン初心者もインターネット目的で買いに走りました。
さらには大手のIBMも本格参入したことで市場が拡大することとなります。
ぶたさん
彗星のごとく現れた歌姫
この年は突如現れた歌姫・宇多田ヒカルが大ヒット。
楽曲のクオリティの高さはもちろん、アメリカ仕込みの自由奔放な言動も話題となりました。
1999年3月に発売された1stアルバム『First Love』は発売から10日間で200万枚以上、2000年までに853万枚を売り上げています。
2020年現在でも大人気のアーティストで、「歌姫」といわれて真っ先に名前が挙がる女性アーティストの一人でしょう。
1999年(平成11年)は小売業でもカリスマが誕生
NTTドコモはインターネット接続サービス「iモード」を開始。
モバイルバンキングやニュース配信などの豊富なコンテンツにより普及が加速。
「iモード」などのインターネット接続サービスは、携帯電話を「情報端末」へと格上げしました。
スポーツではこの年、世界のホームラン王・王貞治が監督を務める福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)が日本一に。
地元福岡の街は歓喜に満ち、経営不振が続いていたダイエーグループの祝勝セールでは1900億円を売り上げました。
しかし、シーズン終了後には優勝の立役者であった工藤投手がFA宣言し、最終的には読売ジャイアンツへ移籍することとなりました。
ぶたさん
あざらし君
トヨタから発売された自動車ヴィッツは欧州発のしゃれたデザインが受けてヒット。
トヨタのシェア4割回復の立役者となり、この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
また、若い女性の間ではレディースファッションブランド「エゴイスト」が人気に。
ファッションの見本となるカリスマ店員も脚光を浴び、「渋谷109」で初めて月商2億円を達成。
強い販売力により、伊勢丹新宿本店にも進出しました。
大正製薬はこの年の6月に発毛剤「リアップ」を発売。
海外ではすでに有効成分の発毛実績が十分に積まれた商品であったため、発売以来月間100万本のペースで売れ、品切れが続出。
抗議を受けてCMが3日で中止になるという事態にもなりました。
百貨店閉店セールでは通常価格の9割引きという破格の商品も登場。
1999年は東急百貨店日本橋店や三越新宿店・南館、福岡玉屋などの百貨店が相次いで閉店しました。
セールそのものがイベントと化して集客力を発揮し、皮肉なことに閉店セールで開店以来最高の売り上げを記録したという百貨店もあったようです。
1999年(平成11年)その他のヒット商品を解説
次にその他のヒット商品を見てみましょう。
五体不満足(乙武洋匡) | 前頭 |
cdmaOne(DDiセルラー) |
投資信託 | 前頭 |
ダンスダンスレボリューション(コナミ) |
ヴィーナスフォート | 前頭 | 松坂大輔(西武ライオンズ) |
だんご3兄弟 | 前頭 | 着メロ |
AIBO(ソニー) | 前頭 | ファービー(トミー) |
スター・ウォーズ(エピソード1/ファントム・メナス) | 前頭 | 新規格軽自動車 |
ユニクロ(ファーストリテイリング) | 前頭 | チェキ(富士写真フイルム) |
DVD(デジタル多用途ディスク) | 前頭 | 100円ショップ |
ななめドラムと超音波で洗おう(三洋電機) | 前頭 | ケアガーデン(資生堂) |
高級ブランド路面店 | 前頭 | energy flow |
厚底靴 | 前頭 | たれぱんだ |
200万画素デジタルカメラ | 前頭 | モノ・コムサ(ファイブフォックス) |
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
あざらし君
この年は1996年から2001年度にかけて行われた大規模な金融制度改革「日本版ビッグバン」の中核商品として投資信託が人気に。
主婦たちも投資家に変身し、投資信託全体の純資産残高はピークだった89年末に迫る勢いとなりました。
東京臨海副都心には大規模娯楽施設「パレットタウン」が開業し、その中にあるショッピングモール「ヴィーナスフォート」も大人気に。
「女性のためのテーマパーク」と銘打ってオープンしたヴィーナスフォートは、開業2ヵ月で来場者数300万人を突破しました。
また、現在でもカジュアル衣料品店として全国的な知名度を誇るユニクロもヒット。
前年にユニクロ原宿店を出店したことで知名度がアップし、この年に東京証券取引市場第1部銘柄に指定されました。
ソニーは犬型のペットロボット「AIBO」を発売。
25万円という高価格にも関わらず、国内販売分は20分で完売するほどの人気でした。
AIBOはロボットであるため「死なないペット」のはずでしたが、2014年にソニーによる修理対応が打ち切られたため、AIBOにも死が訪れることに。
これに伴って2015年には千葉県いすみ市の光福寺でAIBOの合同葬儀が執り行われており、この葬儀は新型の「aibo」が発売された後も続いています。
一方、トミーは同じくペットロボット「ファービー」を発売。
こちらは喋るぬいぐるみとして話題となり、発売後5ヵ月で200万個を販売。
その爆発的な人気により多数の類似品も出回りました。
インスタントカメラの「チェキ」は撮影した写真をすぐその場で見られるアイテムとして大人気となりました。
カードサイズのフィルムを採用したこともヒットの要因と言えるでしょう。
2002年には約80万台を売り上げますが、その後デジカメの普及により衰退、しかし2016年になるとブームは再燃、なんと660万台もの売り上げを誇る商品へと成長していきます。
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
書籍では、先天性四肢欠損という障害を持って生まれた著者の生活体験が綴られた『五体不満足』がヒット。
本書は著者の乙武洋匡が大学生の時に出版された1冊で、2019年時点で600万部を超える発行部数を記録。
1999年にはベストセラーランキングで第1位となっています。
スポーツでは、前年に横浜高校の投手として甲子園春夏連覇の立役者となった松坂大輔が、この年ドラフト1位で西武ライオンズに入団。
プロ初先発で初勝利を飾るなど、この年は最終的に16勝を挙げ、パ・リーグの最多勝を獲得。
「平成の怪物」という異名の通り大活躍しました。
音楽の分野では『だんご3兄弟』が大ヒット。
この曲はNHKの教育番組『おかあさんといっしょ』のオリジナルナンバーとして発表された曲で、1999年のオリコン年間シングルチャートで1位を獲得しています。
そして歌が無い曲としては異例のヒットを記録したのが坂本龍一の『energy flow』。
栄養ドリンク剤「リゲイン」のCMで使用されると、心安らぐ癒し効果があるとしてシングルチャートに長く滞在しました。
ぶたさん
あざらし君
また、この年は『スター・ウォーズ』シリーズの本編第4作目『エピソード1/ファントム・メナス』が公開。
前作の『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』から16年ぶりに製作されたことで世界的に話題に。
日本でも配給収入78億円を記録し、この年の洋画部門のランキングで『アルマゲドン』に次ぐ第2位となりました。
2012年には3D版も公開されています。