この記事では1981年(昭和56年)に流行したヒット商品番付を紹介しています。
目次
1981年(昭和56年)に流行したヒット商品ベスト10を紹介・解説
まずは1981年(昭和56年)に流行したヒット商品ベスト10を見てみましょう。
金 | 横綱 | 期日指定定期預金 |
スクーター | 大関 | パソコン |
窓際のトットちゃん | 関脇 | エレファントマン |
軽自動車 | 小結 | なし |
毛皮 | 小結 | 携帯用ヘッドホンステレオ |
1981年(昭和56年)最大のヒット商品は金と期日指定定期預金
ぶたさん
あざらし君
相場の急落によって金需要が高まる
(出典:https://ja.wikipedia.org/)
1980年は米ソ冷戦の深刻化もあってか金の価格が急騰しました。
しかし1981年には金の価格が急落し、多くの人が金貨や金のアクセサリーに飛びつきました。
店によっては前年比の5~6倍の売り上げとなったところもあったようです。
金価格はその後20年に渡り下落を続けますが、2000年代に入り上昇に転じ、1981年に小売価格の2~3倍程度で取引されるようになっています。
郵便貯金に対抗した銀行の期日指定定期預金が人気に
(出典:https://www.irasutoya.com/)
1980年は郵便貯金が大関でしたが、1981年は都市銀行の新商品である「期日指定定期預金」が横綱となりました。
「期日指定定期預金」は1年間の据置期間後に満期日を指定することで引き出しができる定期預金で、利回りの高さや少額貯蓄非課税制度(マル優)を有効に使える点が人気を集める理由となりました。
郵便貯金の定額貯金に対抗するために誕生した商品と言われています。
1981年(昭和56年)はITの分野からタレント本まで幅広くヒット
1980年はファミリーバイクが小結に入っていましたが、1981年はホンダのスクーター「タクト」が火付け役となりスクーターブームが生まれました。
同じく大手であるヤマハやスズキもスクーター需要を牽引し、スクーター市場は過熱していきます。
1981年は10万円以下のパソコンが登場したことで本格的に普及し始め、年間30万台にも上る売上となりました。
パソコンの本格普及によって、サラリーマンにとってはパソコンは必須スキルとなっていきました。
書籍ではタレントの黒柳徹子が自叙伝『窓際のトットちゃん』を発売しました。
黒柳徹子自身が通学したトモエ学園を舞台に教育論が描かれており、1981年のベストセラーランキングでは第1位となりました。
1980年にイギリス・アメリカで制作された映画『エレファント・マン』が1981年に日本で公開されました。
「エレファント・マン」として見世物にされていた実在の人物を描いた映画で、1981年の日本における洋画の配給収入で第1位となりました。
1980年のヒット番付に入っていたスズキの「アルト」を筆頭に、1981年は軽自動車が省エネや価格の安さが受けて売り上げを伸ばし、スクーターが大関となった一方で軽自動車も小結となる人気でした。
ファッションでは毛皮製品が人気となり、ムートンラムのジャケットは15万円前後という価格にも関わらず学生も買い求めました。
また、ミンク毛皮では1着70万円の製品も登場するほどでした。
前年の小結だった携帯用ヘッドホンステレオですが、1981年も引き続き小結となり、「ウォークマン」で人気のソニーや大手各社だけでなく中小各社も参入して市場が拡大しました。
1981年(昭和56年)その他のヒット商品を解説
次にその他のヒット商品を見てみましょう。
VTR | 前頭 |
健康ふとん |
機動戦士ガンダム | 前頭 |
Dr.スランプ アラレちゃん |
ミニ口紅 | 前頭 | シェイプパンツ |
科学雑誌 | 前頭 | 箱家具 |
スポーツ飲料 | 前頭 | 高級即席ラーメン |
携帯用電子鍵盤楽器 | 前頭 | ゲーム&ウォッチ |
ソーラー電卓 | 前頭 | ミニコンポステレオ |
フルムーン | 前頭 | 年金旅行パック |
新国債ファンド | 前頭 | 生ビール |
キャビン85 | 前頭 | 長期総合保険 |
レオタード | 前頭 | 黒いフーセンガム |
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
1980年は冷夏だった一方で、1981年は猛暑となったことで「生ビール」が売り上げを伸ばし、大手のキリンビールも生ビールを発売したことで一層市場が拡大しました。
ぶたさん
あざらし君
現在も刊行されている科学雑誌『ニュートン』が創刊されたのも1981年のことで、創刊当時は40万部が発行され科学雑誌ブームの火付け役となりました。
また、1981年は『ニュートン』以外にもいくつかの科学雑誌が創刊されました。
任天堂から1980年に発売された携帯型のゲーム機「ゲーム&ウオッチ」は1981年に入って売り上げを伸ばしました。
持ち運びができ手軽に遊べる点が受けて社会現象となるほどの人気で、「ゲーム&ウオッチ」は任天堂のゲームの原点となりました。
ぶたさん
あざらし君
旅行業界では当時の国鉄が熟年夫婦を対象に「フルムーン夫婦グリーンパス」売り出した他、日本交通公社(現・JTB)も高齢者向けの「年金旅行パック」を売り出し人気となりました。
「年金旅行パック」には他の旅行会社も追随しましたが、年金を漁っているという批判の声も上がりました。
金融面では大和証券が発案した「新国債ファンド」が、長期で利回りが高い点が売りとなり人気を集めました。
また、1981年は台風15号によって発生した土石流や漁船の転覆で死者を出す被害を受けたことで保険に関心が集まったことに加え、保険料が引き下げられたことで長期総合保険も人気となりました。
最近でも新シリーズが生み出され続けているガンダムシリーズは、1981年3月には劇場版『機動戦士ガンダム』の第1作が、7月には第2作『機動戦士ガンダムII 哀・戦士』が公開され話題となりました。
また映画だけでなく、プラモデルなどの関連商品が大ヒットし品薄状態となりました。
ぶたさん
また鳥山明先生の漫画『Dr.スランプ』を原作としたアニメ『Dr.スランプ アラレちゃん』が1981年に放送を開始し、高視聴率を獲得し、関連グッズも爆売れしました。
あざらし君