この記事では1988年(昭和63年)に連載を開始してその後大流行した漫画を8種類紹介しています。
目次
1988年(昭和63年)に連載を開始した神漫画8選
1988年(昭和63年)の流行漫画・「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」
作者 | 萩原一至 |
ジャンル | ダーク・ファンタジー |
連載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
単行本の巻数 | 27巻(2020年現在連載中) |
圧倒的な画力と繊細なタッチで描かれるダークファンタジー、「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」。
自称「超絶美形主人公」こと伝説の魔法使いダーク・シュナイダー(D・S)が、魔物や魔法使い、さらには邪神や天使、悪魔を相手に戦いをくり広げるストーリーです。
当時の少年誌には珍しいダークファンタジーの世界観と、強欲・好色・傲慢という、週刊少年ジャンプとしては異例の主人公像は読者に大きな衝撃を与えました。
さらに同時期に連載された桂正和の「電影少女」とともに、少年誌の限界を攻めるお色気描写で男子のリビドーを刺激。
しかし作者の荻原一至はクオリティへのこだわりが非常に高いこともあいまって、休載がちになります。
現在はウルトラジャンプで不定期連載中ですが、実質的には休載中。
のちの多くのファンタジー作品へ影響を与えた作品であるだけに、今なお再開を望む多くの声が上げられている作品のひとつです。
ぶたさん
あざらし君
1988年(昭和63年)の流行漫画・「ジャングルの王者ターちゃん♡」
作者 | 徳弘正也 |
ジャンル | ギャグ漫画、格闘漫画、少年漫画 |
連載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
単行本の巻数 | 7巻 |
「ターザン」をモチーフにした、一話完結形式のギャグ漫画。
主人公は、チンパンジーのエテ吉に育てられたムキムキボディのターちゃん。マウンテンゴリラのゴリさんから格闘術を学んだりと、様々な動物パワーを駆使して、ジャングルの平和を脅かす存在に立ち向います。
なんと言っても本作の魅力は、ターちゃんの超人的な能力と悪を決して許さない正義漢な人柄。
ターちゃんの視力は5.0以上で銃弾も余裕で避けることが可能。聴力もウサギ以上に発達しているだけでなく、動物達の言語を理解することができます。
ただそんなターちゃんも、観光客が捨てたエロ本を拾ったり、女性の裸をのぞき見したりと根はドスケベ。現在の週刊少年ジャンプでは掲載できない直球な下ネタも見どころのひとつです。
なお、1990年より「新・ジャングルの王者ターちゃん♡」に改題。バトル要素がより強くなりシリアスな展開も増えていきますが、本作のほうはスケベな勧善懲悪モノとして、気軽に楽しめることができます。
あざらし君
ぶたさん
1988年(昭和63年)の流行漫画・「ろくでなしBLUES」
作者 | 森田まさのり |
ジャンル | 不良・学園・ギャグコメディ、格闘漫画、少年漫画 |
連載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
単行本の巻数 | 42巻 |
「ろくでなしBLUES」は、「ROOKIES」や「べしゃり暮らし」を手がけた森田まさのりによる初の長期連載漫画で、週刊少年ジャンプを代表するヤンキー漫画です。
ケンカはめっぽう強いものの、男気にあふれ人情家で涙もろい。さらに、ヤンキーなのに下ネタが苦手――。そんな主人公の前田太尊がジョージ(吉祥寺)を舞台に、他校の強敵達との争いやボクシング世界チャンピオンを目指すなかで、仲間との絆や人間的な成長が描かれていきます。
本作は重厚な画風でくり広げられるギャグ要素も絶妙。手のひらを上に向けて舌を出す、いわゆる「ろくでなしポーズ」を真似した読者も多いのではないでしょうか。
また登場人物の名前は、実在の格闘家やミュージシャンがモチーフにされているのも特徴で、元ネタを探してみるのも楽しいはず。
とくにTHE BLUE HEARTSのメンバーをモチーフにした登場人物はルックスも似せられており、なかでもヒロトやマーシーは絶大な人気を誇りました。
あざらし君
ぶたさん
1988年(昭和63年)の流行漫画・「まじかる☆タルるートくん」
作者 | 江川達也 |
ジャンル | ギャグ漫画、少年漫画 |
連載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
単行本の巻数 | 21巻 |
テレビタレントとしても活躍中の江川達也によるギャグ漫画。1998年から1992年まで連載、1990年にはアニメ化もされています。
何をしてもうまくいかないダメ小学生の江戸城本丸は、偶然「自称大魔法使い」のタルるートを召還。
タルるートの魔法アイテムの力を借りて、様々なトラブルを乗り越えたり、逆に騒動を巻き起こしたり――いわば「ドラえもん」の構図を取ったストーリーです。
ただし本作では服が透けてみえる「見Hん」や、飲むと性別が変わる「ホルモンガー」など、少年心をくすぐるエッチなアイテムが登場。つまり「少年ジャンプ版ちょっとエッチなドラえもん」とも言えるでしょう。
しかし、ここで触れておきたいのが、じつは本丸が努力家でもあるという点です。本丸が想いを寄せる伊代菜にいいところを見せたいという不純な動機もありますが、同級生の原子力(はらこつとむ)に勝つために、タルるートや父親と協力。彼らの力を借りて猛特訓し、魔法の力を借りずに勝利を収める様もしばしば描かれます。
つまり本作は、「友情・努力・勝利」というジャンプの三大原則に則ったストーリーでもあるのです。
あざらし君
ぶたさん
1988年(昭和63年)の流行漫画・「機動警察パトレイバー」
作者 | ゆうきまさみ |
ジャンル | 近代SF |
連載雑誌 | 週刊少年サンデー |
単行本の巻数 | 22巻 |
「機動警察パトレイバー」は、原案ゆうきまさみ、メカニックデザイン担当の出渕裕らによるクリエイター集団、「ヘッドギア」が手がけるメディアミックスプロジェクトです。ゆうきまさみによる漫画版は、1988年から1994年まで連載されました。
物語の舞台はロボット工学が発展し、「多足歩行型作業機械」レイバーによる犯罪が増加した近未来の東京。警視庁は犯罪に対抗するために警視庁特車部隊、通称「パトレイバー」を創設。
漫画版では主人公の泉野明が搭乗する「イングラム」と、規格外レイバー「グリフォン」との戦いが中心に描かれます。
当時のアニメとしては珍しく、ロボットが必殺技をくり出す兵器でなく日常に溶け込んだものとして表現。また警察モノとしても犯罪事件やアクションよりも、警察組織そのものを掘り下げているのも特筆すべき点で、ドラマ「踊る大捜査線」や映画「パシフィック・リム」など、後の様々な作品に影響を与えたと言われています。
また主人公野明とバドの最終決戦でバドが悪意なく放った「ゲームやんか・・・」のセリフや、ラスボスである内海の最期は読者の脳に深く突き刺さるものとなりました。
あざらし君
ぶたさん
1988年(昭和63年)の流行漫画・「拳児」
作者 | 藤原芳秀(作画)、松田隆智(原作) |
ジャンル | 拳法アクション、人間ドラマ、少年漫画 |
連載雑誌 | 週刊少年サンデー |
単行本の巻数 | 21巻 |
八極拳をはじめ、様々な中国拳法がダイナミックな劇画調タッチで描かれる「拳児」。
中国拳法の魅力を教えてくれた消息不明の祖父、侠太郎を探すために、主人公の拳児は単身中国へ。そこで多くの中国武術との出会いを通じて、成長していく拳児の姿が描かれます。また、中国の思想や哲学を知ることができるのも本作の魅力です。
原作者の松田隆智は中国武術研究家でもあります。そのため、多少誇張されている部分もありますが、本作では様々な中国拳法が丁寧に解説されており、拳法解説書としての側面があると言っても過言ではありません。「拳児」を読めば、自分自身も拳法の使い手になったような気分になれること請け合いです。
なお、2018年には続編の『拳児2』がサンデーうぇぶりに掲載。成長して武術家になった拳児の活躍が描かれており、読者が気になっているであろうライバル、トニー・譚とのその後も回想として見ることができます。
ぶたさん
あざらし君
1988年(昭和63年)の流行漫画・「YAIBA」
作者 | 青山剛昌 |
ジャンル | 格闘、アクション、少年漫画 |
連載雑誌 | 週刊少年サンデー |
単行本の巻数 | 24巻 |
国民的コンテンツ「名探偵コナン」を手がけた、青山剛昌による剣劇アクション。
主人公の黒鉄(くろがねやいば)が天下一のサムライを目指し、強敵達との戦いをくり広げるストーリーです。
本作は低年齢層をターゲットに生み出された作品。たしかにポップでスタイリッシュな画風は、当時の連載陣のなかでも目立つ存在でした。
また、雷神剣、覇王剣など子供心をくすぐる魔剣の数々や、宮本武蔵をはじめ歴史上の人物も登場。剣劇アクションに、ファンタジーやSF要素を融合した世界観は、思惑通り大ヒットへ。
一方、強敵達を打ち倒していくなか、強さのインフレ化が進みます。しかし、最終章「織田信長御前試合編」では魔剣に頼らず、本来の剣のウデで挑む展開に。これには賛否両論でしたが、一時は闇落ちしたライバル、鬼丸猛との宿命の対決はかなりアツいものがありました。
ちなみに「名探偵コナン」など作者の他作品に、「YAIBA」に関わるアイテムなどが描かれていることがあるので、探してみるのも楽しいかもしれません。
ぶたさん
あざらし君
1988年(昭和63年)の流行漫画・「スーパードクターK」
作者 | 真船一雄 |
ジャンル | 医療漫画 |
連載雑誌 | 週刊少年マガジン |
単行本の巻数 | 44巻 |
卓越した技術と屈強な肉体を持ちつつも、裏世界に生きる孤高の天才外科医K。そんなKが荒くれ者を蹴散らしながら、難病に挑む――と、かなりクセの強い設定がてんこ盛りの「スーパードクターK」。
いわば「ブラック・ジャック」の世界観に「北斗の拳」のDNAを持つ主人公が飛び込んだかのような非常に濃い世界観は、読者に絶大なインパクトを与えました。
なんと言っても見どころは、世紀末すぎるKのスーパー医療行為。
手術を拒否する患者に腹パンをかまして気絶している隙に手術をしたり、Kの両手が使えない状況に陥ったときには子どもに手術をさせたり――。破天荒なKの言動は、医療漫画という時に重くなりがちな題材に、強いエンターテイメント性をもたらしているも事実なのです。
なお、1996年からは「DoctorK」と改題され、よりドラマ性の高い展開に。少年マガジンの歴代長期連載作品ベスト10に入るほどの人気を誇る作品となりました。
あざらし君
ぶたさん
あざらし君