この記事では1980(昭和55年)に連載を開始してその後大流行した漫画を4種類紹介しています。
目次
1980年に連載を開始した神漫画を紹介
1980年(昭和55年)の流行漫画・「めぞん一刻」
作者 | 高橋留美子 |
ジャンル | ラブコメ・青年漫画 |
連載雑誌 | ビッグコミックスピリッツ |
単行本の巻数 | 15巻 |
時は1980年。
大学の共通一次試験(現センター試験)を控えた崖っぷち浪人生・五代裕作。
しかし五代の住むオンボロアパートには、日々アパートで酒盛りで五代の受験勉強を邪魔する非常識住人(一ノ瀬・四谷・朱美)たちがいた。
アパートを出て行こうとする五代だったが、そこに現れたのはアパートの新しい管理人・音無響子。
響子に一目ぼれをした五代はアパートに残るが、実は響子は未亡人で前の夫(惣一郎)のことを今だ忘れられないでいたのだった・・・。
冴えない五代を好きになるこずえちゃんや女子高生・八神、響子さんにアプローチする二枚目でお金持ちの三鷹など、二人の恋には高い障壁が聳え立ちます。
そして五代にとって最大の難関である響子の亡き夫に対する響子さんの想いを、五代はどのように乗り越えていくのかが最大の見どころです。
また「めぞん一刻」は漫画と現実の時の流れが一致するため、連載が進むにつれ五代君も浪人生→大学生→社会人→保父さん(現保育士)と成長、当時の世相を反映した物語に懐かしさを感じる読者も多いでしょう。
ぶたさん
あざらし君
ぶたさん
あざらし君
1980年(昭和55年)の流行漫画・「Dr.スランプ」
作者鳥山明ジャンルSF漫画・ギャグ漫画連載雑誌週刊少年ジャンプ単行本の巻数18巻
「Dr.スランプ」は、日本が世界に誇る超人気作品「ドラゴンボール」を手がけた鳥山明による、初の連載作品で、則巻千兵衛が生み出したアンドロイドのアラレを中心に、ドタバタギャグがくり広げられます。
当初は千兵衛が主人公でしたが、後にジャンプの編集長を務めることになる当時の担当編集・鳥嶋和彦の強いプッシュもあり、アラレにバトンタッチ。
これが功を奏すことになりました。
人気の理由のひとつには、個性的なキャラクターが挙げられます。先述の鳥嶋和彦をモデルにした「Dr.マシリト」や、お尻がモチーフの宇宙人「ニコちゃん大王」などは一度見たら忘れないインパクト。さらに、「んちゃ」「バイちゃ」「ほよよ」といった数多くの流行語も生み出されました。
ギャグ漫画でありながら、圧倒的な画力とデザインセンスに裏付けされた作風はポップで洗練されており、今見ても斬新さを感じる「Dr.スランプ」。天才・鳥山明の才能を世に知らしめることになった作品であるとともに、少年ジャンプ黄金期の礎を築いた作品といっても過言ではないでしょう。
ぶたさん
あざらし君
1980年(昭和55年)の流行漫画・「3年奇面組」
作者 | 新沢基栄 |
ジャンル | 学園、コメディ、ギャグ |
連載雑誌 | 週刊少年ジャンプ |
単行本の巻数 | 26巻 |
奇抜な顔面の5人から成る「奇面組」が、日々変態活動に精を出しては騒動を巻き起こす学園ギャグコメディ。「3年奇面組」として連載開しますが、高校進学を機に「ハイスクール!奇面組」と改題されます。
主人公の一堂零の特技「筋肉大移動」や「やかましぶわさ」、5人の合体技「奇面フラッシュ」などハイテンションな技の発想はまさに変態的。
奇面組のほかにも、校内で番を張っている「番組」、スポーツマン集団の「腕組」、スケバングループの「御女組」といった個性的な5人組やキャラクターも登場。ライバルたちとの対決回は人気が高く、「クラブ挑戦シリーズ」としてたびたび描かれました。
また、本作を語るうえで欠かせないのが最終回です。社会人になったヒロインの唯が相変わらず零たちとにぎやかに過ごしていますが、ふと気づけば中学時代に。奇面組は唯の空想だったのかもしれない――と語られる結末が、「夢オチ!?」と物議を醸しました。
しかしこれは作者の意図するところではなく、愛蔵版のコミックス発売にあたり、最終回に加筆されているので要チェックです。
ぶたさん
あざらし君
1980年(昭和55年)の流行漫画・「あした天気になあれ」
作者 | ちばてつや |
ジャンル | 講談社 |
連載雑誌 | 週刊少年マガジン |
単行本の巻数 | 58巻 |
「あした天気になあれ」は「あしたのジョー」の作画でお馴染みの、ちばてつやによるゴルフ漫画です。
主人公の向太陽は、幼い頃に父親を亡くし、母が営む食堂を手伝いながらプロゴルファーを目指す苦労人。
本作では、そんな太陽が史上最年少でプロテストに合格し、全英オープンへ挑戦するまでの奮闘が描かれます。
「チャー・シュー・メーン!」のリズムでスイングする「チャーシューメン打法」は、当時ゴルフを嗜んでいた人ならば、誰もが真似をしたことがあるほど大流行しました。
同時期のゴルフ漫画として、少年サンデーで連載された「プロゴルファー猿」が挙げられますが、こちらは旗つつみやモズ落としといった必殺ショットを用いて、影の組織が放つ刺客たちと戦う少年漫画ならではの展開。
一方「あした天気になあれ」は、派手な技こそ登場しませんが、競技としてのゴルフの知識や技術、メンタル面の重要さなども盛り込まれたリアル路線で人気を博しました。
やがて日本はバブル景気へ突入し、空前のゴルフブームを迎えますが、その火付け役の一端を担うことにもなった作品でもあります。
あざらし君
ぶたさん